2013年1月4日金曜日

「再生可能エネルギーを活用したビジネスモデルとファイナンス」


 日本でも昨年7月より再生固定価格買い取り制度(FIT)がスタートした。これにより、再生可能エネルギーを活用して地域を活性化しようとするプロジェクトが全国各地で生まれている。また、国もそのようなプロジェクトに対して助成金を出し奨励、支援している(資源エネルギー庁、再生可能エネルギー発電事業を通じた地域活性化も出る開発支援調査事業)。

 再生可能エネルギーを活用したプロジェクトは大きくはメガソーラープロジェクト等の大資本を中心としたものと地域主体の再生可能エネルギーのプロジェクトにわけられるが、私は後者の地域主体の再生可能エネルギープロジェクトに注目している。

 FITのもとでは、ある程度のプロジェクトの経済性が見込まれることから、それを活用して観光振興や産業誘致など多面的な目的をプロジェクトにもたすことが可能となる。また、プロジェクトに、コミュニティファンドや地域商品券、地方自治体が所有する資産を戦略的に活用する地域振興施策を組み合わせることで、地域資金が地域で循環する地域自立的な取り組みも可能となるだろう。
 私は、再生可能エネルギーのプロジェクトをみる場合に以下の3つの観点(①価値の評価測定、②価値の創出メカニズム、③ファイナス)が重要であると考えている。
①価値の評価測定
 再生可能エネルギープロジェクトがどのような価値を創出しているのか? 経済的価値、社会的価値、環境価値のトリプルボトムラインの観点から評価する定性的な基準、および定量的な基準を示し、価値の評価測定をおこなう。
②価値の創出メカニズム
 再生可能エネルギーを活用したどのようなビジネスモデルがあり得るのか?
ビジネスモデルをどのような要素によって構成され、要素同士はどのように統合されているのか? ビジネスモデルによって上記の3つの価値がどのように創出されているのか? 
③ファイナンス
 その再生可能エネルギービジネスモデルはどのようにファイナンスされているのか? そのファイナス形態は価値を高める上でどのように役立っているのか? それは最適なファイナンス形態と言えるのか?

以上の観点から、全国各地の再生可能エネルギーのプロジェクトを演繹的、帰納的に分析をくわることで、地域主体の再生可能エネルギー活用プロジェクトのモデル化、フレームワークをつくってみたいと考えている。

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